覚えておくべきお金の知識<6.円の価値>
私たちは日本人であり、ほとんどの人がほぼ全員日本円を持っているし、使っています。資産である株や不動産、債券だって国内で買って持っていればすべて日本円に紐付く日本円の資産です。
よく資産を分散した方がいいとか、投資も分散投資だと言っていますが、多くの日本人は日本円での資産の一点買いになっています。通貨の分散にはなっていません。
本当の意味での分散には通貨の分散も考える必要があるのではないでしょうか?
例えば世界で一番、流通量の多い通貨であるドルとの比較から考えてみましょう。そこで、よく円の価値を見る指標としてよく耳にするのが、円高や円安です。
そもそも円高・円安とは、1ドルが何円かという相対的な価値を表したもので、ドル円の相場で毎日上下しています。
円高、円安を簡単に以下の図で説明しますと
ここにも書かれているように、円が上がればドルが下がるし、円が下がればドルが上がります。
日本人として日本円は絶対的に必要ですが、資産を守るという観点からすると、資産の半分をドルとして持っておけば、円が下がって円資産が減っても、ドル資産は想定的に増えており、円とドルで分散した資産のトータル価値は変わりません。
これからの将来を考えたときに1つの指標として日本の人口による経済の衰退により円の価値が下がり円安になるのではないか?という見解があります。
こちらは総務省の資料より抜粋したものですが、
2050年の日本の人口は9,515万人にまで減り、高齢化率も39.6%とかなり高くなっています。確かにこの状況では経済が活性化している気がしませんね。
未来がどうなっても資産をリスクから守ることを考えれば、通貨は分散しておいた方がよさそうに思えてなりません。
以上の話から外貨預金を持とうと思う方もいるかもしれませんが、それは間違いですので、補足をいたします。
外貨預金をした場合、一度にドルに換えるということになり、その時のドル円レートが採用されます。どのタイミングが良いのかはわかりませんので高値買いのリスクがあります。また、外貨預金はペイオフ対象外なので、銀行が破綻した場合には保証されません。
それでは、如何にしてドル資産を持つかということになりますが、時間をかけドルコスト平均法を使って少しずつドルに換えていくことをお勧めします。
<編集後記>
日本人としては日本円を信じたいですが、世界から見た日本円の流通量は約5%程度で、約60%のドルと比べると吹けば飛ぶようなマイノリティーになっています。
先ずないとは思いますが、世界一の借金大国である日本が、コロナ対策とかで国債を発行し続けていけば破綻するのではないか?とつぶやかれることもある状況下では、日本円一点買いでの資産の持ち方は、そんな理由からも心配になってきますね。