覚えておくべきお金の知識<2.ドルコスト平均法>
今日の知識は、ドルコスト平均法です。
これは相場変動の状態に関係なく決めた一定の金額を一定の周期で規則的に継続して買い進めていく方法です。
〇ドルコスト平均法とは
以下の図のように相場で変動するものはタイミング(買い時や売り時)や、どのくらい売買するかという個々の采配によって最終成績である損得が大きく変わるように感じている方が多いのではないでしょうか?
それは、皆さんが投機をするようなイメ―ジしか持っていないために、一か八かというように感じてしまうのです。
投資の場合、様々な不確定要素からくるリスクを少なくするため長期・分散・積立という考え方があります。ドルコスト平均法は、長期的な積立をする際にリスク回避をして投資を進めていく方法の一つです。
それは冒頭と繰り返しになりますが、すなわちドルコスト平均法を使った買い方のポイントは、一定の金額を一定の周期で規則的に継続していくことなのです。
この図では、一定金額(1万円分)を一定の周期(毎月購入)で10年間継続した場合を示していますが、買い始めた当初より下がり始め、4年目だけは1万円より値上がりしましたが後は1万円以下を推移して最終的な相場の価格は8000円/1株になっています。
こんな状況で本当にリスクが回避され、きちんと利益が増えているか検証してみましょう。
この図の場合の利益を計算してい見ますと、
先ず、10年間の投資総額は、1万円×12か月×10年=120万円でした。
そして、この期間の取得株数は
- 1年目は1万円で1株が変えて合計12株
- 2年目は1株が5000円に下がったので1万円で2株買えて合計24株
- 同様に3年目1.66株、4年目0.83株、5年目17.14株……
そして、10年間で約230株になっています。
ゆえに今回の最終成績は、取得株数×10年目の株単価から計算できるので
230株×8000円=184万円
となり、総出資額120万円との差額で64万円の利益が得られ約1.54倍に増えた状態になっています。
きちんと増えていましたね。
ちなみに、先ほど皆さんが勘違いし易いイメージの同額を投機した場合も確認しますと、こちらは投機ですので1年目の1株1万円の状態の時に120万円を投じて120株を購入したという考え方なります。
そして10年間の株の保持数は変わらず120であり、10年目の価格は8000円なので
120株×8000円=96万円
となり、総出資額120万円との差額で24万円の損になり元本が10年かけて8割に減ってしまった状態になるのです。
どうでしょうか?ドルコスト平均法を使って積み立てる場合、相場で運用益が変化する株や投資信託やファンド等で運用される場合でも、長期的な積立で資産形成をしていれば、一時的な相場の崩れたとしても、その分は株価等が下がり株がたくさん買えるため安心して一定額を継続して積み立ていけるということがお分りいただけたと思います。
さらに付け加えると、経済的なショックでの一時的な値下がりであっても、慌てて積立ててきた資産を値下がりしているタイミングで安易に清算するような行為はやってはいけません。
自らの手で損を確定してしまうことになりかねないからです。
運用先がどういうものかを理解した上で的確に判断し対応してください。くれぐれも慌てて清算しない方が良いと思います、経済が回復してくることを待った方が賢い選択になる場合がほとんどだと思います。
なぜならマクロ見た世界経済的には、世界人口の増加とともに経済は成長し続けているので、世界経済が一旦落ち込んでもいずれ回復の方向に進むだろうと私は考えています。
長期・分散・積立という投資の方法を知る中で、ドルコスト平均法を理解して活用していくことをお勧めします。
<編集後記>
少し難しかったかもしれませんが、きちんと理解し、活用することで、安心に基づいた投資を行っていけると思います。
ヒヤヒヤしながら大切なお金を預けていては気持ちも落ち着きませんからね。
次回の知識も重要ですのでお楽しみに!